『LUCIA』を解説したセルフライナーノーツとなります。
セルフライナーに寄せて
執筆:HISAOH
元々フォークメタルがかなり好きな人間でした。現在進行でも好きです。
ただ、有名なコルピクラーニとかデス声みたいな感じが多く、
FinntrollやАрконаの曲自体は好きなものの、
(先述のバンドの音楽性を否定しているという意味合いは全くなしで)個人的趣向でほぼクリーン歌唱がいいなと、
だからBiSHのOTNKとか衝撃的だった。
その当時(2010年より前の頃)と言えばQanticeのThe Least Worst Endingでのイリアン・パイプスの使い方に感激し
FinntrollのJaktens Tidのインパクトが凄かったそんな時代の話で、和楽器バンドとか存在していなかった。
Mägo de OzやLándevir、Saurom辺り、
女性ヴォーカルであればAlmôra、Dalriada、Калевалаが凄く気に入っていたので、
自分でスパニッシュメタルみたいなものをつくるとなった暁には、
女性ヴォーカルのクリーン歌唱が大部分占めていて、フラメンコ的な要素が多く含まれていればいいな的に思っていた。
スペイン詩人ロルカの詩集を読んだ時に、幾つかの詩でルシーアという響きが印象に残ったので、
ジプシー、ロマの娘設定でつくる事に決めた。
いつの間にかフラメンコ、スパニッシュ的要素だけではなく、
中近東、ジプシー的な要素がある音楽に変容していったのを今でも覚えている。
キッカケとなったのは、リッチー・ブラックモアの影響が極めて強く、
余談ですが、アーニャをAnyaと名付けたのも、Deep PurpleのAnyaという曲が好きであったからだ。
その時手元にあったCDでBlackmore's NightのUnder a Violet Moonがあり、Spanish Nightsという曲も好きだった。
RainbowのStill I'm Sadでのリッチー節がとにかく気に入っていた。
LUCIAという曲で、中近東、アラビックな展開が所々出るのは、リッチー・ブラックモア
それと、Medina Azahara、微妙にWARCRYからの影響がとても大きい。
Aメロでのギターリフは、XのART OF LIFE ピアノソロが終わってからの歌の入り辺りを聴いてみると面白いかなと思う。
昔の曲程に、影響を受けた要素が分かりやすい箇所が多く、自分の好きを包み隠さず体現してしまっていて興味深い。
若さというのは恐れを知らぬものだ。
それと同時に、FictionJunction YUUKAのnowhereにも大きな影響を受けていて、
自分の曲でそんなトランス状態に陥る曲を生み出したかったという強い欲もあった。
なんと強欲な奴だ。
「Ay,yai~」は自分版のヤンマーニみたいな感じだ。
続編では、どんな曲を手掛けようか模索中だ。
今聴いている曲は、グラナドスのオリエンタル、Módulos(もしくはMedina Azahara)のTodo Tiene Su Fin辺りで、
被っているのは本当に最初のごく一部だけど、10代の頃から印象的に感じているメロディだ。
イラストを考える時に、普段のムーセイオンだと古代関係で資料が本当に少ないので、 ルシーアの題材に関しては資料集め自体は他既発作品よりは豊富で、 尚且つ、褐色肌のキャラクターという部分で新鮮味がかなりありました。
歌の難易度は高めで、梟夜さんも最高音近辺の箇所は大変だと思うし、今回は本気でスケジュール都合がつかなかった。
梟夜さん、もっけさん共に3、4月は新生活、環境の準備に追われる事が確定していたので、
前倒しで「神話物語群 アーニャ」を幻想音楽祭で初出した経緯もありました。
色々と内情があり外のヴォーカルさんにあたってみて、時間ない、難しいと収録が進まず、
「HISAOH feat. Sinsy Yoko」として世に出る事が決まったので寝ます!とグループウェアに投稿して、
ふて寝に近い大人げない眠りについて、目を醒ました時には収録が終わっていました。
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
「おれは ルシーアは謡子さんの合成音声と思ったら いつのまにかゆめのさんの歌になっていた」
な… 何を言っているのか わからねーと思うが、おれも 何をされたのか わからなかった…
頭がどうにかなりそうだった… 催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……
と書きたくなる程に驚く展開で「HISAOH feat. YUMENO」になったのです。
もっけさんもイラスト制作がかなり大変であったと思います。
ゆめのさんの歌唱がうまくルシーアにマッチングし、とても良かったなと思います。
拡張した世界観を披露、発表を予定としていますので、乞うご期待下さい!
オマケ音源1 「LUCIA FM音源(ヴォイス付)」
FM音源でVoicelessを作成して、スペイン語の箇所はロボットヴォイスにして、
ゆめのさんヴォーカルを効果音的なフラットな音程にして乗せたものです。
≪※作品版付録htmlのみフル尺となります≫
オマケ音源2 「LUCIA HISAOH feat. Sinsy Yoko」
合成音声版だとザックリとこうなっていました。
≪※作品版付録htmlのみフル尺となります≫
この曲は元々私の担当ではなかったのですが、頒布までに歌入れが間に合わず合成音声になるとの連絡が来まして、
ギリギリでそれは勿体ない!と思いちょっと悩んだのですが楽曲データの確認から6時間の間で急遽収録しました。
せめてメインメロだけでも録って今回のみのデモ版として使える物にでもなれば良いなと。
結果、たまたま音域が自分にとって楽な範囲内だったおかげか、 コーラスも全部朝までに間に合ったので完成した1曲として出すことが出来ました。
自分は普段は完璧に覚えるまで歌えない神経質気味なタイプなので、
初めて聴いた曲をすぐ歌うという(しかも勝手に)暴挙は過去やったこと無かったため、いい経験になりました。
またコーラスの収録もこの作品が初めてでした。
後に人の声よりも合成音声の方が調整するのが大変と聞いたのですがそれは全く知らなかったので、
それならば尚更挑戦してみて良かったなと思いました。
また、私個人としても民族ぽい音楽は好きで、Al pan,pan 〜の部分等楽しく歌えました。
イメージイラストの女の子も褐色は初とのことで、メンバーの方全員の苦労が詰まった1曲を是非聴いて下さい!